Briswell Tech Blog

ブリスウェルのテックブログです

社内のディジタル・トランスフォーメーション

f:id:brix:20200708182201j:plain Photo by Jezael Melgoza on Unsplash

こんにちは、加藤です。 さて、最近はDX、ディジタル・トランスフォーメーションというキーワードが百花繚乱ですが、ブリスウェルはお客様のDXを支援しているので、このあたりについて書いてみます。

コロナによるソフトウェアの活用、オンライン化の加速

今回の新型コロナウィルスで、リモートワーク関連のシステム、ツールの注目度が一段と上がりました。 弊社ブリスウェルは業務システム、SaaS、モバイルアプリ、IoT、AIなどのソフトウェア開発をかれこれ10年以上やっているのですが、これほど急速に市場の環境が変わった事は記憶にありません。

ソフトウェア企業である弊社が、クライアント企業のIT化・デジタル化を提案・推進していく中で、最も難しいことの1つに、 業務プロセスや意思決定プロセスのデジタル化による効果を事前に予測する、あるいは定量的に概算すると言う点があります。 誰もが効果が大きいことは分かっているのに、それがどれくらい大きいかという規模感になると、クライアントのメンバー間でも元にするデータや意見がわかれ、精緻に予測出来ないことも多いかと思います。 一方で、大まかな方向性を決めて一気呵成にDXできる企業は、その俊敏さで今まで大きなアドバンテッジを得て来ました。

ところが、今回のコロナ渦によって、ディジタル化は多くの企業にとって死活問題であるということが明らかとなってしまいました。 例えば、オフィスワーカーにとってオンライン会議ツール、チャット、ワークフローツールがマストであるというレベルの説明は、全く不要となりました。

note.com

コミュニケーション領域ではどの会社も新たにZoom、GoogleMeet、Slack、Teamsなどを取り入れて、メールと電話からの脱却、代替がなされたと思います。 積年の課題だった「脱エクセル」が急に加速してきたという話も聞きます。 結果、こういった施策ではもう差別化にならなということなのかと思います。

オンラインツールを利用するからオンラインファースト、ソフトウェアドリブンへ

僕はここ数か月はもう一歩踏み込んで、オフラインからの脱却、代替ではなく、オンラインベース、オンラインファーストの業務への転換をご提案しているところです。

そもそも、僕たちのようなソフトウェア開発会社は、従来から開発タスクのほとんどをオンライン上で管理してきたという経緯があります。 PJTのマスタスケジュール、人材リソースのアサイン、WBS管理、Q&A・ターミノロジーなどのKM機能程度は、数年前から非エンジニアの利用を含めてほとんどオンラインのチケットツールに一元化されています。 エンジニアチームはgit、CI/CD環境を使って、ソースの管理したり、テスト・デプロイ自動化を進めています。 このあたりのレベルはもう一般的ですね。

ブリスウェルではもう一歩踏み込めるかどうかというところで、エンジニアチームのやり方を全社的に取り込んで、 例えば、設計チームが作成するドキュメントも徐々にgit管理に移行したりなんてことも起こっています。

もう少し時間がかかりそうですが、このままツール間の連携が進めば、オンラインツール側がPJTをドライブしてくれるようになるかもしれません。 例えば、プロジェクトマネージャが行っている進捗管理タスク程度なら、ソフトウェアが巻き取ってくれることになると思います。(というか既にほとんど巻き取っています。)

考え方としては、

・旧来の「オフライン業務をベースとして、オンラインで出来ることはオンラインにする」から、 ・今後は「全部オンラインに載せて、ソフトウェアベースでのオペレーション最適化を図る」

になるのかなと。

僕たちソフトウェア開発企業の場合

我々のバリューチェーン(古いですね)というか、業務フローでは、妄想、構想、計画、要件定義、設計、開発、検証、導入・・・とあるのですが、 後半になるほど管理が仕組み化できて、ソフトウェアドリブンになっています。

・人が、プロジェクトをタスクに分割し、 ・ソフトウェアが、タスクを人にアサインし、 ・人は、タスクをこなしpushする。 ・ソフトウェアが、検証・マージ・デプロイし、・・・ ということがなるんだろうなと感じています。

そうなれば、プロジェクトマネージャは重要な意思決定、ビジネスやプロジェクト全体の成否を左右するディシジョンに、より時間を使えることになります。 設計担当者は、UIや機能の仕様詰めの際に、PoC、R&Dにもっと時間を使ったりできるかもしれません。

開発チームへのインパクトはさらに大きくなります。 技術的な難易度の高い領域、例えば最近のアーキテクチャではBFF(Backend For Frontend)レイヤーの設計難易度が上がっているので、 こういった付加価値の高い部分に腰を据えて議論できるようになると思います。

ただ、聞こえようによっては、「オンラインツール・ソフトウェア・プラットフォーム側がマネッジし、人側がそれに沿って動く」と言うのは、ちょっとディストピアな雰囲気がします。 僕はそういう意図ではなく、どちらかというと、人が本当にクリエイティブなところ、差別化できる所により多くの労力をかけられるようになるのではないかと言う側面に期待しています。 Software Driven(ソフトウェア・ドリブン)ではなく、Software Inspired(ソフトウェア・インスパイアード)のような感じです。 当面、社内ではこういったDXはどんどん進めていきたいと思っています。

思想、手法、ツールについて、なかなか全部を書くことが出来ないのですが・・・、ぜひ他のソフトウェア開発企業の方の話を聞いてみたいです。