江戸時代は、日本の歴史上最も数学がフィーバーした時代です。
大名から子供まで、商売、両替、測量など日常生活に活かせる技術として学んでいただけではなく、娯楽としても楽しんでいたようです。
江戸時代のベストセラーの一つに、塵劫記という数学の参考書があります。
数の単位(一、十、百 ... 那由他、不可思議、無量大数)、九九、そろばんの使い方、面積の求め方、そして数学問題などが、面白い挿絵を入れて分かりやすく書かれています。
塵劫記には、次のような盗人算という問題があります。
橋の下で盗人たちが何やら話しているのが聞こえます。どうやら、盗んだ反物を分けようとしているようです。ところが、7反ずつ分けると8反余り、8反ずつ分けると7反足りず、困っているようです。
さて、盗人と反物の数は?
現代っぽく、プログラミングで解を見つけてみましょう。
nusu = 0 # 盗人0人 while True: nusu += 1 # 盗人1人増やすぜよ tan1 = nusu * 7 + 8 # 7反ずつ分けると8反余り tan2 = nusu * 8 - 7 # 8反ずつ分けると7反足りず if tan1 == tan2: # 盗人が何人であれば合致するのか break print("盗人 = " + str(nusu) + "(人)") print("反物 = " + str(tan1) + "(反)")
出力結果
盗人 = 15(人)
反物 = 113(反)
のようにとても簡単ですね。
という方程式を立てても、すぐに解は出てきます。
さて、江戸時代の人たちはどのように解を出していたのでしょう。
塵劫記の解答には
盗賊は8足す7で15人。反物は15人掛ける8反に7反足りないから113反。
とだけ、記載されています。
うーむ... なるほど
盗賊全員に7反ずつ分けると8反余って、もう1反ずつ分けようとすると、あと7反足りない。ならば15反(= 8 + 7)あれば全員に1反ずつ分けれる、すなわち盗賊の数は15人ですね。
スマートなアプローチです!
最後になりますが、一つAI技術をご紹介。
トップの越後屋のイラストは、写真を漫画風の画像に変換するGAN、その名も「CartoonGAN」を利用して生成したものです。
お主も悪よのう。