東京は梅雨入りしてジメジメしてますが、いかがお過ごしでしょうか?
新型コロナの感染者もまだまだ収束していないため、ブリスウェルではリモートワークを継続しているメンバーも多いです。
さて、今日はシステム開発プロジェクト成功の秘訣と題して、書かせていただきます。
私自身、システム開発の仕事に携わって20年以上経ちますが、とても難しく奥深い仕事だと未だに感じています。
今までの経験から、システム開発を成功させるために重要だと考えていることについて、提案編と題して私の考え方をご紹介させていただきます。
ブリスウェルの主力事業はシステム開発サービスで、お客様からシステム構築の依頼を受けて、システムを開発して納品する仕事をしています。
システム開発を外部の会社に委託する場合、発注サイドと受注サイドがいて、システムの完成まで両者が協力し合い、完成後もより良いものに育てていく必要があります。
単に売って終わりというわけではなく、契約後も協力してアウトプットを創り出していく必要のあるビジネスです。
ブリスウェルのような受注者サイドとしては、
・お客様のビジネスや業務の流れ
・既存システムの仕組みやデータの流れ
・関連する外部システム
など様々な情報が不足した状態でお客様との最初のコンタクトとなることがあります。
そのような状態でもなんとか競合他社との戦いを勝ち抜き発注をいただくために色々と努力をすることになります。
受注サイドがどのような観点で提案を作成していくのかという情報は、発注サイドにとっても良い開発会社を選定する上での助けになるのではないかと思っています。
それでは具体的に見て行きましょう。
1)お客様の見えない要求を嗅ぎ分ける
ヒアリングやRFPを元に、過去の経験から機能一覧を推測で策定する
この能力が会社の提案力ということになると思います
全体の流れを押さえるためのQAや詳細なQAを繰り返しながら、お客様のビジネスや業務、既存システムや外部連携システムとの連携の仕組みなどを想像していきます
限られた時間で100%を把握することは不可能なので、根拠を持った上で必要だと思われる全ての機能を洗い出すことが重要です
2)要求を数字に変換する
重要なのは画面数、機能数、帳票数、IF数など数字や難易度に基づいて工数を見積ることです
お客様からのハイレベルな要求を具体的な数値レベルに落とし込めることがシステム開発を請け負う上でとても大切な能力だと考えています
ふわっとした営業トークではなく、具体的に完成形をイメージできるレベルまで詳細化できることが付加価値だと思っています
また、お客様になぜそのような実装方針なのかを質問された場合に、根拠をすぐに回答できる状態であることがとても大切です
3)工数と金額を明示する
開発規模から考えられるリスクを考慮した見積を算出する
ある程度機能単位での工数や費用を提示することで、価格感をお客様と共有できることになります
これはその後のスコープ変更時やリリース後の追加改修時の見積根拠が発注者と共有できるため無用な価格交渉や不信感を排除できると考えています
逆に言うと、不明確な部分が多い場合は開発会社側はある程度リスクを積むことになります
発注者側はできるだけ詳細な情報を提供して見積金額のバラツキが出にくくなるように配慮することがとても大切です
一定規模以上の案件の場合、リスク要因を把握しきれないことが多いため、要件定義終了後に開発フェーズ以降を再提案する旨を合意した方が良いと考えています
4)差別化
提案時には自分たちが差別化できるポイントをセールストークの中心に据えることが重要です
顧客のことを深く理解することができることが伝わるととても良いですし、逆に顧客に懸念されているポイントを強みに変えられるとアピール力が高まります
例えば弊社では、あるプロジェクトの提案の際に以下の3つのポイントを差別化ポイントとして提案をしたことがあります
1 豊富な過去の経験(大規模プロジェクト実績や発注者側のプロジェクトリーダー経験がある)
⇒発注者の立場を理解できるという安心感
2 業界向けパッケージの活用(業界ノウハウがある)
⇒担当者の要求を正確に吸い上げられるという信頼感
3 オフショア開発(徹底した品質管理体制)
⇒ただ安いだけではなく品質もしっかりしているという安心感
お客様やプロジェクトの内容によってセールスポイントの中心をどこに持っているかは変わりますが、基本的な部分は共通していると考えています
5)プロジェクトリーダーが全てを背負えること
最終的にお客様がパートナー選定という大きな決断をする場合、やはり信頼できる人なのかどうかがとても重要だと感じています
いかなる質問にも誠実に回答する姿勢がとても大切です
金額交渉においても上司にお伺いを立てるような姿勢はできるだけ控え、オーナーシップを発揮できることを示した方が信頼感がアップすると思います
プロジェクトリーダーとしてオーナーシップを発揮できるレベルになるには相当の努力と経験と覚悟が必要です (まだまだ私自身も一人前とは言えないのですが)
そういう人が世の中に増えると良いな そのきっかけをブリスウェルで作れると良いな と思いながら経営をしています
また、業界的にはとても重要な感覚ではあるのですが、リスク回避的な態度はできるだけ見せない方が良いと思っています
とはいえ、お客様とリスクの存在を共有し、できればリスクに対する対策案を提示できると尚良いです
以上がシステム開発案件の提案を行う際に、私が大切にしていることになります
いよいよプロジェクトがスタートした後の流れ、要件定義編についても近いうちに記事を書こうと思っています
皆様のお役に少しでも立つことができたら幸いです!