弊社ではSlackの文面では伝わらない時などに、Google Meet(以下Meet)を使用しています。
MeetのURL発行には以下の手順を踏まねばならず、若干の手間だったりします。
- Meetのページを開く
- 会議を新規で作成
- 作成されたMeetURLをコピー
- Slackに貼り付け
今回は、この手順をSlackのコマンドで実装(半自動化)してみました。
参考になれば幸いです。
- GASでスクリプトの作成
- コードの作成
- ライブラリ(SlackAPI)の追加
- サービス(Google Calendar API)の追加
- Slackアプリ(bot)作成
- VERIFICATION_TOKENの取得
- Botの権限設定
- ワークスペースへのインストール(1回目)
- BOT_USER_OAUTH_TOKENの取得
- 作成したスクリプトをデプロイ
- Slackコマンドの設定
- ワークスペースへの再インストール(2回目)
- コマンドを試してみる
GASでスクリプトの作成
Google Apps Script
上記リンクより、GASの新規プロジェクトを作成します。
プロジェクトの作成は「新しいプロジェクト」より行えます。
コードの作成
プロジェクトの作成ができたらスクリプトを書いていきます。
まずは、定数の定義からです。
const SLACK_POST_URL = 'https://slack.com/api/chat.postMessage'; const VERIFICATION_TOKEN = 'xxxxxxxxxx'; const BOT_USER_OAUTH_TOKEN = 'xxxxxxxxxx'
※[VERIFICATION_TOKEN]と[BOT_USER_OAUTH_TOKEN]は後ほどSlackのアプリから取得するので仮置きしておきます。
続いてMeetURLの取得処理を書いていきます。
/* Google MeetのURLを作成 */ function getMeetUrl() { const calendarId = 'primary'; // 一時的にイベントを作成するカレンダーID const dt = new Date(); const date = dt.getFullYear() + '-' + (dt.getMonth() + 1) + '-' + dt.getDate(); const requestId = Math.random().toString(32).substring(2); // 適当な文字列を作る const events = Calendar.Events.insert({ summary: 'tmp_event', singleEvents: true, allDayEvent: true, start: { date }, end: { date }, conferenceData: { createRequest: { requestId, conferenceSolutionKey: { type: 'hangoutsMeet' }, } } }, calendarId, { conferenceDataVersion: 1 }) // MeetURLだけあれば良いので、作成後に予定そのものは削除する Calendar.Events.remove(calendarId, events.id); if (events.conferenceData.createRequest.status.statusCode === 'success') { const meetUrl = events.conferenceData.entryPoints[0].uri; return meetUrl; } }
最後に、Slackへのレスポンス処理を作成します。
/* Slackに投稿 */ function postMessage(event, message) { const thread_ts = event.thread_ts ?? event.ts; const params = { method: 'post', payload: { token: BOT_USER_OAUTH_TOKEN, channel: event.channel, thread_ts: thread_ts, text: message, }, }; UrlFetchApp.fetch(SLACK_POST_URL, params); } /* Slackにメッセージを送信 */ function doPost(e) { const meetUrl = getMeetUrl(); let message = meetUrl !== undefined ? `Meetのリンクを発行しました\n${meetUrl}` : 'Meetのリンクを作成できませんでした'; let response = { response_type: 'in_channel', text: message, }; if (e.parameter.command) { if (e.parameter.token !== VERIFICATION_TOKEN) { return null; } // Slash command return ContentService.createTextOutput(JSON.stringify(response)).setMimeType(ContentService.MimeType.JSON); } else if (e.postData) { const contents = JSON.parse(e.postData.contents); if (contents.token !== VERIFICATION_TOKEN) { return null; } if (contents.type === 'url_verification') { // Event SubscriptionsのPost先URL検証のため return ContentService.createTextOutput(contents.challenge); } else if (contents.type === 'event_callback') { // botがbotの投稿に反応しないようにする if (contents.event.subtype && contents.event.subtype === 'bot_message') { return null; } // アプリメンションで起動させる if (contents.event.type === 'app_mention') { postMessage(contents.event, message); } } } }
スクリプトの記載は以上です。
このようにつなげて記載できていればOKです。
スクリプトについては本職ではないため、偉大な先人の御知恵を賜りました。
参考文献: 【GAS】SlackでいつでもどこでもGoogle MeetのURLを発行できるBotを作ってみた
ライブラリ(SlackAPI)の追加
Slackへの投稿を行うために、SlackAPIライブラリを追加します。
ライブラリの追加はサイドメニューのライブラリ[ + ]より追加できます。
追加に際して、スクリプトIDが必要になるのですが、SlackAPIの場合は下記となります。
SlackAPIスクリプトID:
1on93YOYfSmV92R5q59NpKmsyWIQD8qnoLYk-gkQBI92C58SPyA2x1-bq
※現状ライブラリのスクリプトIDはググってみるしかないようです...
ライブラリを追加したことで、GAS上でSlackAPIの利用が可能となります。
サービス(Google Calendar API)の追加
続いてMeetURL取得のため、Google Calendar APIを追加します。
サービスの追加はサイドメニューのサービス[ + ]より追加できます。
サービス一覧より[Google Calendar API]を選択。
サービスを追加したことで、GAS上でGoogle Calendar APIの利用が可能となります。
ここまでできたら一旦保存し、Slackアプリの作成を行います。
Slackアプリ(bot)作成
SlackAPI
上記リンクより、Slackアプリを作成します。
アプリの作成は「Create New App」ボタンより行えます。
アプリの作成には[From scratch]と[From an app manifest]のどちらかを選べます。
今回は[From scratch]を選択します。
VERIFICATION_TOKENの取得
Basic Informationのページ中腹にある[App Credentials]から[Verification Token]を取得します。
取得した[Verification Token]をGASの[VERIFICATION_TOKEN]にセットします。
Botの権限設定
サイドメニューの[OAuth & Permissions]よりOAuth & Permissions画面に遷移します。
OAuth & Permissionsのページ中腹にある[Scopes]より[Bot Token Scopes]を設定します。
[Add an OAuth Scope]より以下の権限を追加
今回はメッセージの書き込みを行うので、[chat:write]と[chat:write.public]を追加します。
ワークスペースへのインストール(1回目)
OAuth & Permissionsのページ上部にある[Install to Workspace]をクリックし、ワークスペースにインストールを行います。
アクセス権限のリクエストを許可します。
BOT_USER_OAUTH_TOKENの取得
ワークスペースへのインストールが完了すると、OAuth & Permissionsのページに[Bot User OAuth Token]が表示されます。
取得した[Bot User OAuth Token]を、GASの[BOT_USER_OAUTH_TOKEN]にセットします。
仮置きした値の設定が完了したので、GASのデプロイを行います。
作成したスクリプトをデプロイ
GASのデプロイボタンをクリックし、作成したScriptのデプロイを行います。
[新しいデプロイ][デプロイを管理][デプロイをテスト]の3種選択可能ですが、[新しいデプロイ]を選択します。
[種類の選択]ではウェブアプリを選択し、[設定]の説明文に概要を記載します。
[アクセスできるユーザー]は[全員]としておきます。
入力完了後、[デプロイ]ボタンよりデプロイ作業が開始されます。
アクセス許可を求められるので[アクセスを承認]より承認します。
デプロイが完了するとURLが発行されるのでコピーします。
最後はSlackアプリにてコマンドの作成です。
Slackコマンドの設定
Slackサイドメニューの[Slash Commands]を選択しSlash Commands画面に遷移します。
[Create New Command]をクリックいただくことでコマンドの作成が行えます。
各項目をセットします。
[Request URL]にはGASでデプロイした際に作成されたURLをセットしてください。
設定できたら[save]ボタンで登録します。
登録できました。
ワークスペースへの再インストール(2回目)
Slackサイドメニューの[Installed App]を選択しInstalled App Setting画面に遷移します。
[Reinstall to Workspace]よりWorkspaceへの再インストールを行います。
アクセス権限のリクエストを許可します。
これで設定完了です!お疲れ様でした!🙌
コマンドを試してみる
MeetのURLが発行されました!
これで多少は手間が省けそうですね👏